第74回 授業研究会 1999年11月20日(土) 佃中学校


第74回英語授業研究会は、1999年11月20日(土)午後3時より、佃中学校LL教室で開かれました。参加者27名。大学で英語教授法を学んでいる学生も多数参加し、活気ある研究会になりました。当初、参加できない予定だった長勝彦先生も、予定が変更になり参加していただくことができました。


当日使用した資料のデータです。(アクロバット形式のファイルです。)ADOBE ACROBAT READERが必要です。

(1)Back to Basic 研究会のまとめ
(2)平成四年度中英研研究部公開授業の指導案
(3)授業の中のTeacher Talk一覧
(4)その後の授業の指導実践としてRole Play
(5)Top down listening
(6)次の活動

(2)(3)の授業の活動については、東京都中学校英語教育研究会 研究部のホームページにある
研究紀要「語いと英語教育第17集」に詳しく載っています。こちらのリンクから参照してください。

都中英研 研究部のホームページへのリンク

語いと英語教育第17集へのリンク



参加者レポート

参加者のレポートです。今回は次の2名に感想や記録をまとめていただきました。

報告(1) 原田博子教諭(江東区立深川第5中学校)

 11月20日に行われた英語授業研究会には、長先生が駆けつけてくださり、研究会などの講師でお忙しい毎日を過ごされているといった近況報告や、英検の顧問をされている関係から、英検関係の情報(来年1月8日と9日に英検の講師派遣制度に登録されている講師が東京に集合し、その講師の先生方によるセミナーが開かれる予定)をお聞きすることができた。
 続いて、町田市本町田中学校の北原延晃先生から、ビデオによる実践報告をしていただいた。
 前半は平成4年度の中英研研究部の公開授業(杉並区立和田中学校2年生の授業)の中の1復習の音読(Paced reading,Shadowing)、2疑似対話(Role-playing /Semi-spontaneous dialog)、3リスニング(Top Down Listening)の部分を中心にビデオを見た。これら3つのうち、現在の勤務校である本町田中学校でも行っている活動はスピーキングへの橋渡しともなっている、一つ目の復習音読のPaced readingとShadowing だそ うである。
 そして後半は、本年度から勤務されている本町田中学校での実践報告をしていただいた。和田中学校と現任校では生徒の様子が違うということで、以前と同じようにはできないが、語彙指導に重点を置いている。教科書では主に2学期から多くの一般動詞が表れるが、それを先取りして、1年生のアルファベットの指導が終わった1学期4月の段階から、40個の身近な動詞をリズムボックスなどを使いインプットしている。それを、さらに、Card Snatching Game(教師の英語を聞いて、インプットで使ったカードをグループ対抗で取り合うゲーム)とFly Swatting Game(教師の英語を聞いて、それを表す絵を同じくグループ対抗で取り合うゲーム)へとつなげている。1学期の授業のキーワードは

・1学期はインプット、インプット、インプット
・早い段階から一般動詞
・楽しいから自然に覚えちゃう



である。

 次に、11月12日に、北原先生が他校の生徒を前にして授業を行なったときのビデオを使い、新語の導入、音読、ペアリーディングの部分を中心に見た。新語の導入で使ったフラッシュカードには、必修語に丸印をつけたり、フォニックスのルールにそった読みをする部分にはアンダーラインを引くなどといった配慮がなされている。音読では、練習前と練習後に音読にかかった時間を計り、その時間を比較することによって、生徒が自分の音読の上達度を直接実感できるようにしている。buzz readingからpair readingの順番に音読指導がされ、次の授業では、ペア読みの発表が行われる。その際、最初にやるペアは、教科書を見て読んでもよいが、次にやるペアは、教科書を見てもよいが、言うときは相手を見ていう、そして最後にやる生徒は、教科書の一部を変えてやらなければならないというようないくつかの段階を設けて生徒にチャレンジさせているそうである。この授業のキーワードは

・Return to basic
・語彙指導は細やかに
・新しい機械の活用(オリンパスのスキャントーク活用)
・音読からスピーキングへ




である。

 そして最後は、11月1日に撮影した初めてのスキットを1クラス分見せていただいた。取り上げたスキットはニュークラウンのLesson 62 3であり、どのスキットにも生徒の豊かな発想が表れており、堂々とした見事な発表であった。北原先生の1学期からの入念な指導の結果がこのスキットに表れている。このスキット授業のキーワードは

・You can do it!町田の生徒もここまでできる
・みんなに見せる(評価)−自分たちの学校内だけでなく他の学校の生徒にも
 見てもらい評価してもらう→一番の動機づけになる
・演劇は非常に有効
・長先生から教わったものー教師の仕事とは未熟な生徒を育てていくこと





である。

 目の前の生徒を暖かく見つめ、その生徒たちが英語を楽しみながら英語の力を付けるために、常に新しい指導を実践されている北原先生の授業の数々を、ビデオを通して見ることができた有意義な研究会であった。

報告(2) 麹池ゆき子教諭(品川区荏原第一中学校)

 授業研究会は、4年ぶりに参加させていただきました。
 毎日部活、校務に追われ初めての進路指導,異動などを経ていつの間にか時間が過ぎていました。
 平成4年度は初任者の年で初めて北原先生の授業を参観させていただきました。
 そのビデオを見せていただきながら、授業研究会にも参加させていただいていたその頃を思いだし、全て英語で進められる授業、音読の方法のバリエーション、ペアワークのワークシート、スキット活動と、行く度にいろいろなことを教えていただき、それが今の自分の基礎であることを感じました。
 しかしいまだに授業で試みても何一つろくにできない。この7年の間に自分はなにをしていたのだろうか、と深く反省しました。
 そこで、北原先生が姫路の生徒さんに、ご自分の生徒さんがやっていることを同じようにさせようとし、何回も同じことをできるまでやり、ついにはさせていた場面。そしてご自分の生徒さんと状況が違うところは即座に条件を変えて活動を継続させる場面を見せていただき、感じたことは、教師の根気と工夫が必要だ、ということ。
 現在の学校の生徒さんのスキットを見せていただきましたが、どの子もどの子も本当に生き生きと活動している。町田の生徒もここまでできる、と先生はおっしゃっていましたが、そうさせるのは、やはり、先生が、目の前の生徒を本当によく見て、育てていこうとする姿勢の結果なんだろうと思いました。
 この日に、また新たに先生から教えていただいた工夫は数知れません。また同じようにそれを生かす教師としての生徒への向き合い方も教えていただいたようで大変感謝しております。ありがとうございました。

メール アイコン

こちらへ
トップ アイコン

トップページへ