直線上に配置

第124回授業研究会

2008年 3月 8日(土) 午後2時から

会場は、東陽中学校

テーマ 「授業を見直そう」 ビデオによる授業研究(18)

2月22日に行われた都中英研研究部の研究発表の公開授業を扱いました。授業者は岸 由季先生(町田市立山崎中学校)です。事前の案内でも紹介したように岸先生はこの授業研究シリーズの第11回(2006年11月)に続いての登場になります。当時の一年生のその後を見ることが出来ました。

この日は午前中の同じ東陽中学校でもう一つの授業研(長授業改善研究会)が開かれるという特殊なスケジュールでしたが、多くの参加者は午前中から午後まで参加という一日がかりの研究会に協力してくれました。お礼を述べておきます。

午前中の方はここでは特に記録としてはアップしませんが、授業研でも何回も登場している鈴木悟先生(港区港南中学校)の授業で、同じ2年生、教科書のページも同じという偶然も味方してくれたようで、非常に興味深い一日でした。

さて、岸先生の授業についての議論を、いつものように紹介しておきます。

・この会でも何回も強調されてきた「英語で授業を進める」という点については、非常にはっきりとしたTeacher Talkが全編に繰り広げられて、授業の雰囲気も先生のペースで進められています。時間配分も計画通りという見事な進行でした。体育館という特集な環境での公開授業は、先生にとっても、生徒にとっても楽ではありません。ここで英語で授業が進められるということは、日頃の指導の成果に他なりません。前回授業研に登場した時から、先生の指導がしっかりと継続されれていることがはっきり分かりました。

・Bingoではかなりのスピードでゲームが進められ、指導のあとがはっきり見てとれる。スペリングの一部(3 letters)を読み上げるという配慮は、Slow Learnerを意識してとのこと。授業者としては、どの生徒に対する配慮なのかということを意識して、スピードと読み上げ方を柔軟に対応させるという点も重要という指摘があった。意図した配慮が十分に機能しているのかという視点。

・動詞の復習と前時に指導した文型(受け身)の復習を兼ねたクイズでは、クイズと復習の両方を狙ったため、かえって焦点が曖昧になったという意見があった。クイズとしては、文型練習に重点が置かれすぎか。

・個々の生徒にとって、授業の中で一番最初の発話、発声場面を指導者が意識して授業を組み立てることも重要。コーラスだけでは少ないか。クイズの中でペアで確認させるなど早いタイミングで、英語で発声・発話させたい。

・byのついた受け身の文の提示はクイズ形式で時間をかけて行なわれた。生徒の興味をひくことと分かりやすいということから、クイズに使った書物の選択や順番についてはいくつか意見が出た。最初は誰もが知っているものがよかったか。吉本ばななよりもハリーポッター、国語の教科書に出てくる作家など。

・全員-個人-全員という繰り返しの口頭練習は計画されていたが、充分には行われなかった。全員から個へ返す、さらに全員へと言う繰り返しは必ず必要だが、いくつかの意図があるという指摘も。

・Oral Interactionの中で生徒から英語を引き出すためには、復習の音読も必要だったか。

・Oral Introductionのあとに内容のチェックのために黙読させる時間をとっている。面白い試みで、文章を読ませる前に単語の確認をしたのは、手順として素晴らしい。ただし、flash cardとしての練習は、本文の音読をする直前でないと充分に機能しない。

・説明が多くて速かったか。内容をしぼるか、ゆっくり繰り返しながら話すか等の配慮が必要では。

・内容理解としても音読練習としてもこの1ページは扱いがむずかしい。説明も練習も全てやるには時間がかかる。焦点化することも必要か。

・評価規準の「教科書の音読が適切にできる」という表現については、より具体的に考える必要がある。きちんと意識しないと、文言だけになって結局は評価できないことになる恐れもあるから。


この授業のビデオ収録は、秘密兵器のワイヤレスマイクを使ったので先生の音声は完璧に撮れています。授業前の独り言ぐらいの音量の発話も、授業中の個別の生徒に対するささやくような声かけもすべて。マイクの威力はよく分かりましたが、これを付けている時は余計なことは言えないということもよく分かりました。今後のビデオ収録はさらに面白いことになりそうです。人ごとならば。冷や汗をかかせてしまった岸先生、すみませんでした。でも、感謝しています。フロンティアを開拓していくのはそういう勇気の積み重ねですね。「勇気」と「由季(先生)」で、これは歴史の必然だったと勝手に納得(^-^)(文責:杉本 薫@東陽中学校)

直線上に配置
webmaster@eigo.org
Copyright © 2007 Eigo Jugyou Kenkyukai Ryogoku-Tsukuda-Toyo All rights reserved.