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第119回授業研究会

2007年5月12日(土) 午後2時から

会場は、東陽中学校

テーマ 「授業を見直そう」 ビデオによる授業研究(13)

              

5月12日(土)は東陽中学校の学校公開(土曜授業参観日)でした。授業の方は午前中だけでしたが、僕が担当した2時間目の3年生の英語の授業には、10名ほどの英語の先生が参観してくれました。開始しばらくは保護者よりも英語の先生の方が多い(*_*)というちょっと授業参観らしからぬ雰囲気の中で、生徒も僕も緊張の1時間でした。(^-^)

当日授業参観で僕が授業を予定していることが直前にメールで紹介された関係で、先生方の参観が実現したのですが、この日の午後行われた授業研究会で授業を公開していただいた花田佐和子先生(杉並区立和田中学校)も、朝から東陽中に来てくれました。他にも数名、午前と午後のダブルヘッダーで参加してくれています。お疲れ様でした。そして、ありがとうございます。僕自身も含めて「長く、熱い一日」になりました。

さて、案内のメールで紹介した花田佐和子先生の自己紹介には次のような言葉がありました。「八王子で初任を迎え、8年目となります。現在、1年担任です。和田中学校では45分授業を基本としており、英語は週4時間あります。現在1学年は4クラス、ほぼフルの39〜40名おり、一斉授業を行っています。1年生を受け持つのは2度目です。それぞれの生徒が「英語にチャレンジしたい」という気持ちを持てるような雰囲気作りを目標に授業を行っています。現在の目標、課題は「どのような生徒を育てたいか」という長期的目標と1時間の授業の組み立てをつないでいくことです。

授業は1年生、教科書はNew Horizonで、単元はbe動詞の疑問文Are you-?。ビデオは研究会と同じ週に収録されています。

とにかく生徒の素直で元気なこと、英語の勉強が楽しい、もっとやりたいというエネルギーにあふれていて、次の時間は疲れてしまうのではないかと心配になるほどでした。そしてその生徒の姿が、花田先生の指導姿勢の現れであることも間違いありません。生徒に負けずパワフルな授業で、教科書に入る前に自作の教材を駆使して、情熱的に生徒に迫る姿は同じ英語教師として見習わなければいけないと痛感しました。

Bingoは初めて英単語だけでやるところが紹介されました。特徴的だったのは、先生が語を読み上げるときに、「B-B-bird」のように最初のアルファベットの持つ音を2回繰り返してから単語を発音するというやり方をとっていたことです。スペリングで出だしの数文字または全文字を読み上げることはよくありますが、子音や母音の音だけに最初に提示するのは面白い着想です。ここまで指導してきたフォニックスの活用がねらいでした。生徒は出だしの音だけで、ある程度単語の選択幅を狭めていくわけです。長先生から、フォニックスは持っている語いの分量がある程度無いと効果的ではない、また音にこだわるなら発音するときの先生の口元に注目させることもよいのでは、という指摘もありました。とにかく毎日続ける活動ですから長期の見通しを持って継続させることが大切です。

また、Bingoの中の世界地図については、地名の発音について話題になりました。生徒はカタカナ読みもやむを得ないとはいうものの、その分先生のお手本が大切になります。ALTの活用も工夫したいところですね。

さて、授業のメインの活動であるペアワークではいくつか参観の先生方から指摘がありました。

・ペアワークの位置づけ、次の活動やゴールへの見通しが明確でないと、焦点が定まらない恐れがある。
・favoriteなど別の表現でもよいのでは。生徒の負担が大きくなりすぎる心配がある。
・T-Tのモデル提示、T-Sのリピート練習はあったが、S-SやS-Tのダイアログ形式の練習が足りないのでは。
・Targetの表現であるAre you? Yes/Noの口頭練習が少なかった。
・文型や言語材料だけでなく、この表現が使われる背景、登場人物の設定など教科書の提示をもっと活用してもいいのではないか。特産物を使っての出身地を当てることが会話の内容になっているが、1年生の当初の指導であることも考えると、Are you?についてももっと身近な用例があると思う。教科書に依存しすぎてもいけないが、使えるところはもっとある。また少なくともひとつの使用例として、無難な選択ではある。
・I am -. / I'm -.についても単に省略形という説明で、どちらでもいい、常に交換や書き換えが可能というわけではないかもしれない。Oral中心の練習であれば、I'm - .により重点を置いてもいいのではないか。
・ペアワークそのもののやり方の説明と指導、点数やワークシートの使い方、相手の選び方など指導内容が多すぎたので時間がかかった。ただし、これからこのパターンをある程度の期間続けていくのなら、最初は仕方ないかも知れない。システムは可能な限りシンプルに、説明しなくてもやり方が分かるぐらい慣れてしまう、そうするとトピックに集中できる。

これらの指摘は我々が自分の授業を見直す非常に有意義な視点です。花田先生の授業を素材にしてはいますが、ここでの議論そのものが重要だったと思います。

最後に、長先生から、長期短期の目標をはっきりさせておくことは指導を組み立てるために絶対に必要なことである。その意味で評価の観点、方法について指導案に明示しておきたい。また、具体的に規準を設けることは、慣れるまでの間は、作業として手間もかかるし、多角的な検討が必要になる。同じ教科書を使っている同じ地域の先生たちは、協力して孤立しないこが重要だという指導もありました。





朝から長い一日でしたが、この日の参加者は予想していた25名を超えて、途中で指導案のコピーを追加しなければなりませんでした。東陽中の英語室でやるようになってからは最多入場数かな。祝記録更新(^_^)v (文責:杉本 薫@東陽中学校)

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