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第110回授業研究会

2005年11月26日(土) 午後2時から

会場は、江東区立東陽中学校。

テーマ 「授業を見直そう」 ビデオによる授業研究(5)


今回は、渓内 明先生(大田区立東調布中学校)に授業を公開してもらいました。参加者は15名。

渓内先生は東京都中英研研究部で活躍されており、2006年2月の研究発表での授業公開を控えての登場になります。10月21日(金)には、当研究会の姉妹組織でもある長授業改善研究会(長研・大田区立御園中)でも取り上げられました。

この日紹介された授業は授業研の前日に行われたものでした。定期テスト直後ということもあり、指導案通りにはなかなか行きにくい時期のビデオ収録だったそうです。2年生の普通クラス編成で在籍36名です。教科書はTotal English Book 2, Lesson 7 "Thanksgiving Day"を扱いました。

来年2月の公開授業を控えているので、できるだけ授業者自身が課題としている観点に議論を集中させようとのねらいで、授業の前半の復習の部分を中心に協議しました。

議論の中心となる活動は、渓内先生の言葉で"Reproduction"と呼ばれているものです。これは、教科書本文の音読練習の発展的な学習として、教科書の本文の中心となる部分を、イラストといくつかのキーワードだけをヒントに再現するものです。ペアでの練習の後、毎時関数名が前へ出てプレゼンします。

協議会では、この活動の位置づけについて議論が交わされました。いくつか意見を紹介します。

・再現させる英文の量はそう多くはないが、それでも「忠実に再現させる」ことは難しくはないか。もう少しプレゼンであることを重視して、聴衆とのinteractionを取り入れた方がハードルとして低くなるのでは。

・先生のOral Introductionそのものをまねさせて目標とするべきだ。

・プレゼンテーションは自分の言葉で相手に分からせることがねらいなので、自分の言葉で表現させる訓練を早いうちから積んだ方がいいのではないか。プレゼンテーションの中の自分の言葉の部分が少ない。

・教科書の本文の英文を忠実に再現させることについては、reproductionというよりはrecitationではないか。recitationとして位置づけるなら、発音やイントネーション、音量などにも評価規準が設定されるべきだろう。

渓内先生の指導の見通しでは、2年生ぐらいまでは、忠実な再生に主眼をおいて、3年生あたりから、自分の言葉を付け加える活動に発展させたいということです。

そのための音読練習には時間をかけていることが、この日のビデオからもよく分かりました。また、ペアでの応答の内容をクラス全体へ三人称を用いて報告させるという小さな活動なども工夫されていました。

長先生からは、指導案の評価規準の文面にさらに具体性を持たせることが必要という指摘がありました。具体的なgoalを言葉できちんと提示しておくことで、今行われている指導の段階と位置づけがはっきりしてくる。そういう研究は、一人の工夫だけではなかなかできないので、今こそ英語教師がチームを組んで共通のgoalづくりに取り組むべきだということです。この点は長先生がかなり前から指摘し続けていることですが、なかなか前進がみられない点でもあります。

今回は、渓内先生ご自身の授業への課題をこの研究会で共有して議論していくという協議会でした。そのため厳しい指摘も多かったように思います。数ヶ月後に控えた公開授業に向けて、真摯に取り組む姿勢は我々も大いに見習わなくてはいけないと思いました。(文責:杉本 薫@東陽中学校)

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