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第104回授業研究会

2004年 11月 20日(土) 午後2時から

会場は、江東区立東陽中学校

テーマ「少人数制の指導と課題」(第4回)

東陽中学校を会場としての授業研究会再出発は、20名以上の参加者を得て、非常に有意義な会となりました。参加者の皆さんありがとうございます。

さて、実践報告者は山本崇雄先生(大田区立御園中学校)、授業は、10月18日に御園中学校で行われた研究授業です。山本先生は昨年度の全英連東京大会で授業公開を行っています。今回の授業は2年生の学級で、昨年から先生が取り組んでいる「絶対評価への対応と授業改善」の取り組みに加えて、本年度からの少人数制導入にも対応しています。

10月に御園中で開かれた長授業改善研究会(長研)でも取り上げていますが、さらに多くの方に参加していただき、議論を深めることができました。

研究授業の流れに沿って会は進められました。指導方法やその手順、考え方と効果などについて活発な意見が交わされました。ここでは、参加者の発言と、長先生の指導、そして記録者の私見を合わせて、記録としていくつかの点について触れておきます。

1)長先生の指導の中から。少人数であることの利点は、普通の規模のクラスに比べて1つ1つの指導がきめ細かく進められること。そして、生徒の反応がよりつかみやすく、生徒の状況に敏感に対応させることができることにあると言える。あまり難しく考えずに、柔軟な指導計画を立てて、必要に応じて手直ししていくことが有効なのではないか。少人数対応の指導方法や指導過程を厳密に定めて固定させていく必要はないだろう。

2)dictationの工夫。長先生のdictationテストをさらに発展させる実践が紹介された。dictation testについては、基本的に同じやり方。教師が本文を読んでいき、止まったところで最後の一文を正確に書くというテストである。この活動の後で、Read Read Readという活動は、課題の文を30秒間でできるだけたくさん音読する活動。次に行うRead and Writeは、同じ英文を声に出して発音しながら書く活動で、1分間でできるだけ多く書くことを目指すもの。どちらも単にテストをするだけでなく、書いたり読んだりするドリル活動を短時間に集中させて実施し、継続させることで学習効果をねらうものだ。短時間でできることと、なかなか生徒がやりたがらないドリル学習を授業の中で習慣づけるという点で非常に興味深いものである。ここでは、前時の学習の復習として実施されていた。ねらいの持ち方と指導の過程については、議論もあったが、授業の中の基本的な学習活動の1つに位置づけて、継続させていくことで、様々な発展を期待できるものである。今後の実践の経緯を見つめていきたいと感じた。

3)今日の授業の中にスピーチの発表場面があったが、ここでは表現活動のスピーチについての議論があった。山本先生の意図する表現活動のゴールの1つとして、「英語を使ってpresentationができる」という目標がある。この考え方に長先生も含めて研究会内でも賛成の声があがっていた。これもまだ十分な実践と議論を踏まえていないので、指導過程が明確ではないが、今後の展開に興味を持って注目していきたい視点であると感じた。パワーポイント等のツールの使用はすでに中学生で十分な実用段階に達している例も少なくない。

4)生徒相互の学習効果にも注目したい。リーダーシップの育て方として山本先生から紹介された。ユニークなのは、生徒の座席のペアを、英語が比較的得意な生徒とそうでない生徒を組み合わせていること。得意な生徒をアドバイザーと呼び、ペアやグループで行う言語活動である程度指導的な役割を持たせていること。また、ペアの活動を元に、4人グループの活動も用意し、そこで基本的な練習をすませてからクラス全体を動きながらの言語活動へ向かわせるという段階的指導も指摘された。

山本先生の授業での工夫は非常に多岐にわたっており、授業の構成、評価の考え方と実践など様々な点について有意義な議論を展開させてくれた。感謝の意とともに、以上の点を報告しておきたい。(文責:杉本 薫@東陽中学校)

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