第90回 授業研究会の記録 2002年7月6日(土) 佃中学校


気が付いてみたら今回は第90回記念の授業研究会でした。絶対評価をめぐる議論と学期末の忙しさで、全く忘れていました。
今回も、ベネッセ教育研究所からの参加者(青木裕子さん)が詳しい記録を取ってくれました。

2002.7.6       佃中学校

ベネッセ教育総研 青柳裕子作成

テーマ「評価の規準と方法」

(1)長先生より

4月から国立教育政策研究所で昨年度のメンバー+今年からの新しいメンバーで評価規準の解説書を作っている。2月29日に評価規準の具体例がインターネットで先生方のところに届いた。これは話すことだけの観点別評価の具体例であったため、もう少しわかりやすい解説書を作らねばということで、100ページくらいのものを8月下旬を締め切りに作る予定である。他教科も同様のことをやっていて、それぞれ独立している。これを統合するため遅れている。委員の中でも、言語に対する知識・理解のところでミスリーディングして原稿を書いている人もいる。先生方もだいぶ苦労されているようである。(長先生自身も)6月下旬から北海道をはじめ、いろいろな研究会に呼ばれている。金曜に仙台から戻ってきたばかりだが、仙台は2期制で、通知表を9月に作る。また、3期制のところでは評定を出さなければいけない時期にきている。相対評価は集団の中の順位づけで、テストをすれば順位はついた。しかし、今度は親から「どうして4か」と聞かれたら根拠を観点別評価にさかのぼって説明できるようにならないといけない。本当に観点別評価が妥当であるのか、例えば、本当に表現の力をこれで見るのか、といった問いに対し、英語教育の目標に準拠した評価規準を説明する必要がある。

大修館の英語教育の6月号に松澤先生が書いていたが、学校教育では身につけさせることが3つある。�々渋づ�能力、��機能的能力、�A躪臈�能力の3つである。��の構造的能力とは、語彙、文法など構造的なもので、例えば現在完了形を使って文が書けるとか、be going toを使って文が書けるといったことである。�△竜’重�能力とは、例えば1学期にお世話になったALTがアメリカ、イギリス、オーストラリアなどの母国に帰るときE-mailなどで感謝の手紙を書くとか、ワールドカップで外国人がたくさんいる環境の中で、英語で質問されたら英語で応答するといったような、その場に適した応答ができるというようなことである。��の総合的能力とは、英語圏の国の大学へ行って、英語の授業が受けられるくらいの能力があるといったことである。��は中学校では無理なので、� ↓△鮨箸砲弔韻襪茲Δ砲垢襦�今までは�,里澆鯢床舛靴討い燭�、これからは�△鮨箸砲弔韻襪燭瓩琉譴弔涼奮�として見る。また、評価対象とはしない。

 今一番必要なのは、1学期につけた評定を持ち寄って、例えば「3」をつけた過程を、集まってざっくばらんに検討することである。本筋をきちんと持つことが大切。来年になっても同じことをするので評価規準が定着しない。今までは自分で作ったテストをお互い評価するということを避けていた。

 今までは4領域を評価していたが、4領域技能を通じて4つの能力を評価する。「関心・意欲・態度からコミュニケーションへの」と書いてあるが、「言語運用の知識」というような文言が書いていない。コミュニケーションを行う上で、必要な運用の知識とはどういうことか。この問題は時間が解決してくれるが、この研究会の皆さんには全国のトップを走ってやっていただきたい。

(2)参加された先生のご発表

◆会の進め方→テストを持ち寄って検討する。(ペーパーテスト例から)

1)             第二南砂中学校 石井先生の発表(資料あり)

1.チェックリスト…生徒が勉強しなくなったと感じたから始めた。テストがテスティング項目を絞ったものではないから始めた。実際に作問するときにも生徒の負担を減らす意味でよい。
3.100点満点にはこだわらない。
5.集計しやすいようにまとめて作る。
6.授業中にやり直したほうが得点が上がる。

現在の課題

・     ア(観点を適切に評価できる設問になっているか)が一番心配。
・     writingの評価観点がわからない。
・     問題数が多いので、時間が不足することを心配して時間がかからないように配慮した。
・     平均点が低かったのはwriting。問題を予告して書かせるが、学校行事が入ってしまい、持ってきたのが90人中5人。
・     word orderはどこの観点に入るか?今回は言語文化に入れてみた。

▲長先生より
今回の教育改革は大改革ということを意識して取り掛からないと抜けきれない。100点満点にしないというのは便利なひとつのポイントである。1項目1点というのは、観点を適切に評価できる設問であるかどうか、また問題がどの観点を見ようとしたかを明らかにする。ペーパーテストでは書くことを通して表現の能力をどう見るかが重要である。読み取り、言語に対する知識に絞ってやったらどうか。

●石井先生
設問2はテキストにそのまま出ているが、それをそのまま使うのがよいのか。観点としてはreading扱い。

■北原先生(狛江)
いったん覚えてしまった文を出すのはreadingというよりdiscourseの文法の力を問うているという気がする。

●石井先生
問題を解きながら生徒の頭の中でやっているときは文法ではなくreading。あとは記憶力か。

△杉本先生
word orderではないが、sentence orderというのは日ごろ読んでいるかを問うもの。新しいものを読んで理解できるかというものとはちょっと違う。指導方法としてテストというと構えて準備する。英語力というところで、データの結果が高ければいいということではないが、一つの目標としてあってもいい。

○二ノ宮先生
並べ替えは別のreadingを使うが、word orderは(テストで)載せてしまう。きちんと声を出して読んだかを測るためには期末でやる。テストに出すには値しない。

▲長先生
論理の前提として、絶対評価は目標に準拠した評価。ペーパーテストに出ているのは「聞く」「話す」のコミュニケーション能力。4つの観点は英語の目標の言い換えである。今話したことは能力を見る問題かどうか?指導の過程はpracticeと見て結果の過程は評価しない。Word orderはコミュニケーション能力か?採点する際に正解がないというのがコミュニケーション。書かせるためのコミュニケーションのようなものは教師としては大変。結論としては、設問9、設問10は、こういうことが書けるように授業で指導する。語彙・言語に対する知識・理解はこういうことを十分理解していないとできない。採択しているテキストを一つの練習台として理解できるか。そのまま出したら理解の能力はつけられない。教科書をよく理解しているという問題ではなくなる。教科書一つ一つをやっていてコミュニケーション能力がつくと思っていたが、実際やらせてみないとコミュニケーション能力はつかない。

「期末の試験範囲は4〜5課です」と言ってそこだけ勉強するという考え方でよいのか。食べ物ならテキストに出てきた食べ物しか考えつかないようではダメ。

△杉本先生より
中間テスト期末テストで学力を測るだけではなく、もう少し後のところでtestingがある。

▲長先生より
word orderは読み取り能力がついたかつかないかをテストする必要がある。ノートに対訳を書かせる。読むことの戦略的なものを身につけさせる必要がある。

■北原先生より
教科書を覚えているかどうかの問題は根本的に文科省が悪い。読み取りの練習をどこでやっているかは各先生の方針・努力(他のテキストを持ってくるなど)。Readingが一番遅れていると考える。

▲長先生より
現状はそうでも、方向性を教師が持っていく必要がある。技能をつける教科書ではない。Function wordを入れて900語の語彙は少なすぎ。もう少し教師が矢面に立って社会問題にならない限り個人の努力でやるしかない。

○二宮先生
対話文を変えたり、パラレルな文章を作るようにしている。日ごろから授業の中で読み取り能力がつく授業をしていかないとreadingは暗記、というようになってしまう。日本の読解指導は読む力をつけるのではなく、解説をしているだけだと書いている。1時間1時間読解力を身につける授業をしていかないと、子どもにとってみたら実力テストみたいになってしまう。

▲長先生より
今まで以上に語彙を身につけさせる必要がある。「聞くこと、話すこと」などがペーパーテスト中心になってしまうか、“mountain”を「マウンテン」と発音できるかというふうになってしまう。「徹夜してやったから力がついた」という考え方を改めていく必要がある。今まで以上に単語を覚える必要がある。子ども、親、教師の考え方を変えていく必要がある。Word orderでどういう力がついたかは実際にこういう文を読ませてみないとわからない。

△杉本先生より
評価規準の小テストの延長線上にテスト範囲がある。

▲長先生より
最終的にCをつけたとしたら、こういうword orderがないからということであれば補習しなければならない。

■北原先生より
設問8は教科書が出典。単語を減らしてやると良いと思う。

▲長先生より
設問8は教科書になければ良い問題。授業で教えていないのにできてしまったということもある。評価規準を作ってそれができたかできないかで評価3をもらったとしたら「前2だったのが3になって頑張ったね」だったのが「英語の力がついたね」ということになる。設問8の問題は方法は良いが内容は検討の余地がある。

△杉本先生より
評価規準に関わるテストはできるか。

▲長先生より
1年と2年で違うが、自分の好きなスポーツを英語で表せと言ったとき、baseballとかsoccerとか出てきたら語彙があるということ。スペリングできるまで何回も指導していて、していなくてスペルを間違えて×はかわいそう。テキストの最後にインターネットをつけ、各国の子どもが自己紹介している。スペリングを間違っても音を出すとわかる。そういうレベルでも1年生ではいいとすればその規準でもよい。

●石井先生より
観点別に個表を渡している。

■北原先生より
観点別評価のどこを上げるためにどこを直せばいいかわからない。

△杉本先生より
必ずしも1項目が1つの観点に入るとは限らない。

2)世田谷区立希望丘中学校 二宮先生の発表(資料あり)

・     30時間弱の授業でどんな問題の出し方が良いか。テストをやったあと、どれくらいできていたらAにするか。(評価評定の仕方)この点が難しい。

▲長先生より
A、B、Cの換算の仕方は「英語情報」の松浦先生のところに載っている。理解の能力で聞く力を15問出している。これをすぐA、B、Cに換算してしまうのがどうかと思う。聞く力を今まで授業の中でやってきていたとするとそれとの整合性はどうなるのか。点数化の考え方ではなく、定期テストで理解の能力がついているか確かめるとき8割以上できていたらおおむね満足として○とするか。能力を見るというのはどういうことか。

○二宮先生より
昔はもっとスキットでやったりできたが、今は授業がたった週3回しかない。

▲長先生より
授業形態を白紙に戻して考えなければならない時期に来た。

設問2が配点3なのは?

○二宮先生より
素点表に書くため。

▲長先生より
ここに出てくる数値もそれぞれ重みが違う。私だったらreadingを5題くらい出す。

○二宮先生より
学年が上がっていくと「下線を引いて日本語」というのはやらないが、この時期なので。

■北原先生より
評価する資料が少ない観点には*をつけることにした。無理に理解の能力をつける(評価する)必要はない。

△杉本先生より
英語だと週3回あるから良いが、週1の教科は1学期で観点を全部埋められるか。

■北原先生より
最近は評価完成ソフトというものがあり、評価がつく。

▲長先生より
私は簡素化しないとダメ。コンピュータは楽だがそこに安心してしまってはダメ。評価規準を作ってそれをクリアしたのかしないのか。いつも評価規準をクリアしたのをAとする。基準を決めて、A、B、Cを総括としてつける。その都度点数化というより目標に準拠した評価規準をクリアしたかしないかによってA、B、Cをつけるのが良い。

次回…9月

 
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