
杉本 薫(佃中学校)
このビデオで見られた、横山先生の明るくリズム感に富んだ授業構成は素晴らしい。1年時からずっと指導してきた生徒とのやり取りにも親密で親しみやすい雰囲気があり、授業を受けている生徒の明るい表情が素晴らしかった。
横山先生は、この授業研究会デモ古くからのメンバーであるし、中英研研究部でも長年ともに研究を進めてきた。だから、ここではあえて今回の授業研究の中から、我々英語教師に共通する課題として受けとめるべきいくつかの検討課題を指摘しておきたい。
(1)コミュニケーション能力の育成が叫ばれて久しいが、最近よく目にする「chat」を取り入れた活動の授業における位置づけをもう一度確認する必要がある。「なぜ、話すのか」「何を話すのか」という視点に対しての配慮はどこで補われているのか。
(2)いわゆる「コミュニケーション」を意識した主に口頭練習の形をとる活動と、教科書の内容や音読の学習活動との関連をしっかりとらえておかなければいけない。授業の中の様々な学習活動の相互関係、前後関係は指導計画の基本にならなければならない。
(3)Teacher Talk(教師の授業における英語の発話)について、中英研研究部では研究実践を積んできた。横山先生もその主要なメンバーである。授業改善に対する切り口の非常に有効なもののひとつであることは間違いない。英語で授業を進めることの難しさと大切さを再認識したい。