第75回 授業研究会の記録 2000年1月15日(土) 佃中学校

2000年を迎え、英語授業研究会も第75回を数えるほどになりました。復活第5回目は、東京都新宿区立牛込中学校の滝口 均先生の授業を素材に、ビデオを使った授業研究です。この授業研究会の母体の一つである「中英研(東京都中学校英語教育研究)研究部員の授業を素材に」という新シリーズのテーマのもと、参加者は、30名になりました。


いつものように、長先生の開会挨拶で研究会は始まりました。今日の授業者の滝口先生を紹介しています。


用意した資料を説明する滝口先生。


30名の参加者はビデオに注目しています。


活発な協議の最後には、長先生の指導と助言がありました。

滝口先生の資料はこちらでダウンロードできます。(ともにアクロバット形式のファイルです)

(1)生徒の活動についての説明

(2)授業の指導案など

(3)指導案(続き)


今回も、参加者の中から「参加レポート」を書いてもらいました。

(1)渓内 明先生 (大田区立東調布中学校)

 第71回から佃中学校で再開した「英語授業研究会」も今回で5回目になります。私自身は4度目の参加です。都内の公立中の教員の他、私立中高の先生、教員志望の学生さん、また遠く福島県の先生も参加され、ホームページも公開されているこの研究会の輪が少しずつ広がっていると感じます。
 今回の滝口均先生の発表では、「Student Talkの質の向上と授業の改善過程」というテーマで、4本の授業ビデオを見せていただきました。
 生徒対生徒、また生徒対ALTのTalkを活動の中心とした授業は、半年ごとに、1分間ト ーク期→2分間トーク期→3分間トーク期と段階を追って指導が行われ、生徒が長く会話を続けられるようになっていく様子がわかりました。Really? Oh, you do.How about
you?等のつなぎ言葉を使い、原稿がない状態で自然な感じで会話が流れているのには驚きました。話す話題(主に教科書本文の題材に準じる)について、語句や内容について学習する準備時間を設定しているのも、会話を続けられる要因の1つだと思います。
 また、1〜2本目のビデオの授業での指導上の問題点(指導手順、音読の方法等)を、先生ご自身が検討された結果、3本目のビデオの授業では、改善されている様子もわかりました。
 フロアーからは、教科書の内容理解、発音、音読の指導が不十分なこと。生徒が会話の持続に集中して言葉に意味がこもっていない等、様々な意見が出されました。滝口先生ご自身も今後の課題としていく旨を述べられました。
 私自身感じたことは、生徒が英語で会話を続けられる姿が印象的でしたが、何よりも英語を話すことに対する生徒のモチベーションの高さに驚きました。滝口先生が生徒の力を信じて積極的にアプローチした結果だと思います。別の機会にモチベーションの高め方について、より詳しいお話をうかがえれば幸いです。

(2)麹池 ゆき子先生 (品川区荏原第一中学校)

 滝口先生の実践は、都の研究部の冊子“語いと英語教育”で困ったときの表現集や、1分間トークなどの活動を読ませていただき、どのように指導されているのか、お話を聞く機会があれば、と思っていました。
 生徒が暗記した英語ではなく、ひとつの話題に関して自分で即興的に話しをすすめていくことができるようになるのは、教師の描く生徒の理想像だと思います。
 普段の英語の授業では、新しい文型の導入、理解、口頭練習、本文の新しい単語の読み方、発音の方法、意味の理解から本文の意味理解、音読練習、そして書かせる活動にかかる時間、と基礎基本の部分だけでかなりの時間がかかってしまいます。そこまでで終わってしまうことでなかなかコミュニケーション活動には遠く、またスキット、スピーチの段階に至ったとしても、音読が足りなかった、語の意味理解も不十分だ、と基礎基本の部分での反省が残ります。
 ここまでの結果を出すには、綿密、緻密な計画、実行、考察、さらなる修正と1年、2年、3年と先へ、先へと見通した段階を経てのことと関心させられました。
 また、先生の英語授業の視点は、変化する生徒像に柔軟に対応した新鮮さを感じ、次にはゆっくりと1時間の授業を見せていただく機会に恵まれ、また勉強させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

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