直線上に配置

第113回授業研究会

2006年 5月27日(土) 午後2時から

会場は、江東区立東陽中学校。

テーマ 「授業を見直そう」 ビデオによる授業研究(8)


第113回目の研究会は、佐藤 剛先生に授業公開をお願いしました。佐藤先生は、大学時代から授業研究会に参加していましたが、2年前に青森県で採用され、現在同県の大鰐中学校で英語を教えています。今回の研究会は、初めての試みでもあります。それは、授業者本人が参加できないということ、研究会の発言の様子をビデオにとって、授業者に送ることでこの会の議論を生かしてもらうというシステムを使ったことです。参加者のみなさん、急にカメラを向けられてびっくりさせてしまったも知れませんが、遠距離からの授業提供に対するこの会としての解答もあったということで、どうぞご了承下さい。

当日は13名の参加でした。

授業についての議論の詳細は、ビデオに記録されています。授業者へのフィードバックは、先ほどのような方法で行われるので、ここではいくつかの点に絞って報告します。

@元気はつらつとした佐藤先生の英語が響き渡るオープニングでした。英語で授業を進めようとする姿勢は今の英語教育では、欠かすことのできない重要な指導技術です。先生の発話のスタイルは生徒にも影響を与えるはずですから、きちんと準備して取り組むことが大切です。長先生からは、スクリプトを用意することもアドバイスされました。また、教師の発話の正確さ、明瞭さ、特に発音やスピードについても、常に見直しが必要です。ビデオに撮った自分の授業を自分で検討することも有効な方法です。

A新教材の導入に使ったパワーポイントやクイズのアイデアは、効果的でした。生徒の目が引き寄せられていく様子がうかがえました。ビデオやパソコンなどは、うまく使えば大きな威力を発揮します。一方で、その画面に早いタイミングで文字も使われていた事への疑問もあげられました。もう少し、ビジュアルだけをたよりに発話する練習があってよかったのではないか、という点です。

Bこの点は、次の指導の段階に関しても共通する視点です。「英文を用いての文型そのものの説明」はいつが適切か。先に行うべきか、練習のあとに行うべきか。議論はあるかも知れませんが、この授業で見る限り、早すぎたのではないかと思われます。また、生徒が英語を使う場面も少なかったので、「導入」はできても、続く「練習」の段階が先生のあとについての「反復練習」だけであった点が、説明場面をさらに目立たせてしまったと思います。

Cオリジナルのスキットは、この段階ではほとんどの生徒にとって難しかったのではないか。スキットを作るまでの段階的な指導がないと、生徒のアイデアも実を結ばないし、全員が作業に参加することは難しいのではないか。スキット(ダイアログ)のねらいを見直して、長期の計画に位置づけた方が毎時の負担は軽くなるのではないでしょうか。

D長先生からは、既習のものから新出のものへというステップの重要性について、再度アドバイスがありました。それは、「易から難へ」でもあります。


さて、自分のビデオを送って、自分のいないところで議論してもらうというのは、非常に勇気のいるやり方です。まずは佐藤先生のこの研究姿勢に拍手を送ります。ビデオには、遠く青森の地で頑張っている先生への参加者からのエールも収録しました。またいつか、この授業研究会で再会できることを願っています。「授業研究会 in 青森」もいいかもしれませんね。

それにしても、前回の大江あやみ先生、今回の佐藤 剛先生、このところ若手の授業を連続して扱っているとはいうものの、教師1年目の授業にある圧倒的な「若さ」と「はつらつさ」には、圧倒されっぱなしです。そろそろ高齢者対策も打ち出さないといけないかな。教員免許更新の噂もあることだし(^-^)(2006/05/27文責:杉本 薫@東陽中学校)

直線上に配置
webmaster@eigo.org
Copyright © 2004 Eigo Jugyou Kenkyukai Ryogoku-Tsukuda-Toyo All rights reserved.