直線上に配置

第107回授業研究会

2005年 5月21日(土) 午後2時から

会場は、江東区立東陽中学校。

テーマ 「授業を見直そう」 ビデオによる授業研究(2)


参加者は今回も12名でした。しかし高校の先生や千葉県、遠くは福岡県からの参加者もありいつもと同様に活発な気になりました。

今回は港区立港南中学校の鈴木 悟先生の2月18日に行われた港南中学校の研究発表会での公開授業の記録ビデオを使いました。

鈴木 悟先生の授業の紹介文にあったように、卒業を控えた3年生に中学校での英語の授業の総仕上げにもなっています。非常に力のこもった、先生の思いが伝わる授業でした。いくつか研究会で議論になったところ、特徴的なところをあげておきます。

(1)復習と新教材の導入は「教師のオーラルイントロダクション」と「生徒のその内容の再現(板書の絵とキーワードを使って)」というシステムが確立されています。音読練習もその中に位置づけて、大半の生徒がほぼ本文の内容を英文を直接読まずに再現できるレベルまで到達しているようです。
 この授業で扱った内容は教科書最後のLet's Readという部分で、この手法で1セクションを1時間で行うにはやや情報量が多かったようですが、生徒はよくやり方を理解していて、ペアでの活動もスムーズに行われていました。音読と内容の再現という2つの要素が同時進行していたので、そこを整理する方がいいのではないかという指摘もありました。

 後半で出てくるスピーチでは、この学習を積み重ねていくことで、生徒が無理なくプレゼンテーションにのぞむ様子がうかがえ、これもこの学習の大きな成果といえます。

(2)音読練習は時間をかけて行っています。先に指摘したとおりこの課が「音読」向きかという議論はありますが、読めるようになることが英語の基礎学力であるという指導姿勢は評価できると思います。長先生からは、shadouing / read and look up / buz readingなどそれぞれの練習の段階のねらいをはっきりさせて、指導の段階を整理した方がいいかというアドバイスを頂きました。

(3)スピーチは次のようなねらい(評価規準)で3学期に集中的に指導してきたそうです。
 @中学校3年間で学んだ英語を使って「3年間の思い出」(自己紹介を含む)のスピーチができる。(話すこと)
 Aスピーチを聞いて、その感想を書いたり、述べたりすることができる。(書くこと)

 この授業では2人の生徒が発表しました。内容、分量とも非常に豊かでよくまとまっていました。ひとりの生徒はパワーポイントを使ったプレゼンテーションに挑戦していましたが、これも効果的でした。スピーチの内容はこれまで3年間に指導してきたスピーチ「自己紹介」「将来の夢」「学校生活の紹介」「思い出」などを整理して再構成されているので、内容としてもこれまでの積み重ねになっています。高校の先生からは、「このレベルのスピーチが出来る生徒が来てくれるとすばらしい。高校でやらせてもなかなか難しい活動だ。」という指摘もありました。

全体を通して、鈴木先生の真摯な指導の姿勢がよく現れた授業で、研究会の参加者にとって大いに刺激になりました。(文責:杉本 薫@東陽中学校)

直線上に配置
webmaster@eigo.org
Copyright © 2004 Eigo Jugyou Kenkyukai Ryogoku-Tsukuda-Toyo All rights reserved.